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〝実質勝訴〟裁判の判決を受けて

更新日:2020年3月11日

3月3日、白保リゾートホテル建築工事の差し止めを求める裁判で判決が言い渡されました。判決は、原告の「訴えを却下する。」というものでした。原告団も私たちも、今回の判決は〝実質勝訴〟だと考えています。原告は地域の自治組織である白保公民館が総会決議で「不同意」とした建設計画の中止を求めて提訴に立ち上がりました。その結果、裁判によって計画が実施できないことが明らかになり、実質的に工事を止めることができているからです。


判決理由は、被告 日建ハウジングのホテル建設計画は開発許可を受けてはいるが、汚水排水計画には問題があり、現状、建築確認が下りる具体的な見込みが立っていない。だから「ホテルが建築される具体的なおそれはないというほかなく、原告らがその差止めを求める訴えの利益はない」というものでした※ 却下の理由である「訴えの利益がない」とは、被告の開発計画が法的に実施できないことに起因しており、指摘してきた計画の問題点に関する主張が否定されたわけではありません。結果的に、被告の計画が周辺の生活環境や自然環境に悪影響を与えるという原告の主張が認められたに等しいと私たちは考えます。


今後、計画が変更されて開発許可手続きが進められるとしても、住民の生活環境や沖縄の観光財産であるサンゴ礁生態系を脅かす計画に対しては、これからも問題点を広く世の中に知らしめつつ、中止や撤回を強く求めていきます。


また、実施できない計画に対して県から開発許可が出されたことについては、見直されるべき重要な問題だと考えています。


※詳しくはプレスリリース「判決を受けて」にてご覧いただけます。判決文はこちらです。


白保サンゴ礁地区の自然環境の保全と持続的な利用に取り組む原告を、全国から多くの皆様が支えてくださることに、改めてお礼申し上げます。


報告会を予定しています。日時は決まり次第、HPとFacebookでお知らせします。


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